ブラック上司に叛逆した義の英雄・明智光秀
コロナ騒動のために撮影が中断し、今年の二月まで放映延長されていた異例の大河ドラマ「麒麟がくる」。戦国から織豊政権時代にかけて綺羅星のごとく台頭しては消えた武将たちのなかでも、とりわけ、三日天下としてこき下ろされた明智光秀を主人公とした意欲作でした。視聴率もよく評判も上々だった模様。光秀ですから、自然とクライマックスがあの本能寺の変になってしまうわけで。大河版の明智光秀といいましたら、私のなかでは1992年「信長」におけるマイケル富岡、もしくは2014年の「軍師官兵衛」における落語家の春風亭小朝が記憶に新しい。とくに後者は、光秀の謀反の理由を「信長が天皇制を否定した」こととしていました。光秀は朝廷を重んじ、そもそもは足利将軍の重臣だったわけですから、筋金入りの保守派なのです。「麒麟がくる」でもやはり、光秀個人の美...ブラック上司に叛逆した義の英雄・明智光秀